在日韓国人は日本と韓国どちらの民法が適用されるか?

在日韓国人は日本と韓国どちらの民法が適用されるか?

在日韓国人が適用される法律について意外に知られていな点をご説明します。

親族・相続の方式や要件を規定している民法は国によって運用が少しずつ異なります。

在日韓国人の場合、居住国と本国のどちらの民法を適用するかを韓国は国際私法という法律で定めています。

この法律により、婚姻・離婚・相続などの分野の大部分で韓国の民法が適用されます。(婚姻の方式は日本民法が適用されます)

日本の民法(家族法)との代表的な違いは以下のとおりです。(細かな点を除く)

日本の民法(家族法)との代表的な違い

婚姻・・・近親婚の制限の範囲が8親等まで。日本民法は3親等まで

離婚・・・協議離婚は家庭法院(裁判所)の確認が必要
     1ヶ月から3ヶ月の熟慮期間後離婚。日本民法には同種規定なし。 

相続・・・配偶者の相続分。他の相続人より5割増し
     日本民法は子と配偶者が各2分の一
     代襲相続の範囲は被代襲者の配偶者も含まれる。日本民法は子のみ。
     法定相続の範囲は4親等の親族まで。日本民法は兄弟姉妹まで。

なお、夫婦双方在日韓国人の離婚の場合は家庭法院の確認に代る措置として、領事面談が必要になります。

裁判上の離婚の際は日本の家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。

相続に関しては基本的に韓国法が適用されますが、遺言で日本民法を準拠法に指定すればそれに従うことになります。

文責:行政書士 長友紀典