建設業許可のこれから

建設業許可のありかたの議論
一人親方の実態把握
新たな届出・許可制度の検討

現在500万円以下の軽微な建設工事において、建設業許可は不要とされています。国の検討会においてそのありかたが議論されています。

これは中長期的な課題とされていますのですぐに変更となるものではありません。しかし、国の施策の方向性を知る上では非常に参考になります。

検討会のまとめ資料によると、建設業許可の対象となっていない工事を行うことの多い一人親方を行政側が適切に把握できていないと指摘されています。

その結果、書面による請負契約が適切に締結されているかどうかという実態が見えづらく、適正な賃金の行き渡りが阻害されています。

また、小規模なリフォーム工事の適切な監督の必要性が大きくなってきています。

同資料中の数字では、労災特別加入をしている64万人以上の一人親方の多くが許可を取得していないことが指摘されています。

全体の2割を占める技能者の処遇や環境を改善していくために、しっかりと実態把握したいという行政側の思惑があるのかもしれません。

現在の許可の枠組みでは手続きや要件といった面でかなりの負担となります。今後、行政コストが低く、一人親方が参加しやすい新たな枠組みが議論されていきます。

例えば、許可よりも簡便な届け出制度や小規模建設業向けの簡易的な許可制度などが検討されていくことになります。当面はすでに運用されているCCUSを活用した実態把握が行われていきます。

文責:行政書士 長友紀典